ドロシーおばあさんの「子どもが育つ魔法の言葉」の教えを受け継いで成長した子どもたちが、子育てに奮戦した実体験のエピソード集です。
反抗する子どもたちとの葛藤、しつけの難しさ、親の離婚で傷ついた幼い子どもたちとの格闘など、けっして平坦ではなかった道のりを、ドロシーおばあさんの教えで乗り越えた、子育てと、子どもとともに人生を前向きに生きるための実践集です。
子どもたちがこんな風に育つための知恵とヒントが満載!!
感謝の気持ちを持つ | 我慢強くなる |
自分を好きになる | 愛することを知る |
家族を大事にする | 頑張り屋になる |
自立心を持つ | 強い子になる |
自信を持つ | やさしい子になる |
正直になる |
この本では、「子は親の鏡」で育った、ドロシー・ロー・ノルトさんのご家族に体験談を書いていただきました。
ご家族のみなさんは、子育てに悩んでいる方々のお役に立てればと、それぞれの体験談を具体的に赤裸々に書いてくださいました。ドロシーさんのご家族の子育ても、反抗する子どもとの葛藤や子どもに対するイライラを抑えきれない悩み、しつけの難しさ、親の離婚で傷ついた、結婚相手の幼い子どもたちとの格闘など、けっして平坦な道のりではなかったようです。それでも、常に相手を尊重して愛情で包みこむ、心温まるドロシーさんの教えが、すべてのエピソードにあふれています。
私がドロシーさんに初めて会ったのは一九九〇年でした。ドロシーさんの詩「子は親の鏡」が、日本で間違って「アメリカインディアンの教え」として伝わり出版されたため、出版社の方と、お詫びと出版の許可をいただくためカリフォルニアを訪ねたのです。小柄でエレガントなドロシーさんは、わたしたちの話を静かに聞き、快く受け入れてくださいました。
一九九八年、「子は親の鏡」をわかりやすく解説した、ドロシーさんと友人レイチェル・ハリスさんとの共著の本が、アメリカで出版されました。この本は翌年、翻訳版「子どもが育つ魔法の言葉」として、日本でも出版されました。皇太子様が四十五歳のお誕生日の会見でこの詩を朗読されたこともあり、詩「子は親の鏡」は大変な評判となりました。
日本から多くの問い合わせを受けたドロシーさんは、三回来日して講演を行い、私はドロシーさんの日本の窓口として、全ての講演に同行させていただきました。私自身も三人の娘の母親であったため、ドロシーさんの講演から学ぶことが非常に多く、感激したことを憶えています。
講演の際、日本のお母さんたちからもっとも多く寄せられた悩みは、「しつけ」や「子どもにイライラして、すぐに怒ってしまうこと」でした。
中でも特に印象に残っていることがあります。神戸で講演をした後、車を待っていたドロシーさんに、小さな二人のお子さんを連れたお母さんが駆け寄りました。その方は、一緒に子育てをしていたご主人を事故で失くされたそうです。彼女は、寂しさと不安から、ついついお子さんに怒りをぶつけてしまうことを悩み、「子どもたちは、父親だけではなく優しい母親も同時に失くしてしまったのです」と嘆いておられました。するとドロシーさんは、彼女の肩をそっと抱き、「大丈夫ですよ。ここにいらっしゃるということは、あなたがよい母親であるということですから」と静かな声で言ったのです。
後にその方からいただいたお手紙によると、「子は親の鏡」を読んで心が救われたそうです。「わたしが不安だと子どもも不安になり、父親がいなくてかわいそうだと思うと子は惨めになる」とご自分に言い聞かせ、自信を持って胸を張り、笑顔でいるように心がけておられるとのことでした。そして、結びには「ドロシー博士が抱きしめてくれた時、その温かさに触れて涙が止まりませんでした。体温ではなく心温でした」と書かれていました。
この本では、ドロシーさんのご家族による体験談をご紹介しましたが、読者のみなさまのご意見や体験談を書いていただけるブログを立ち上げました。子育てに奮闘されているみなさまの悩みや体験談を本サイトの掲示板にお寄せください。 掲示板 »